【終末期医療の現場】~②人工呼吸から自発呼吸へ、そして看取り入院~

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自発呼吸が安定する

家族みなで、その場で父を看取る覚悟を決め、人工呼吸器のレベルを最低限に調整してもらったその後、意外にも父は意識は戻らないながらも、自発呼吸をし始めた。

医師はモニターパネルの数値からそういうことが分かるのだ。

1時間ほどそのまま父を見守りながら時間が経過した。

医師がやってきて、「今なら自発呼吸が安定しているので、人工呼吸器を外せます。」と言った。

私は一瞬訳が分からなくなった。頭のなかで下記のように考えを整理した。

さっきは自発呼吸がなかったから、その時点で人工呼吸器を外すとそれが原因で亡くなることが予測され、そのような状況では殺人になってしまうため人工呼吸器を外すことはできない。

人工呼吸器のレベルを最低限にしてみたところ、意外ではあったが自発呼吸が出てきて、それが安定しているため、今なら人工呼吸器を外してもそのことが原因(つまり呼吸不全)で亡くなるということは考えにくい。だから外せる。
外した後のことは、生前の父の意向、今の家族の意向通り、「自然に逝く」ということになる。

人工透析もせず、喉に穴をあける手術もせず、人工呼吸もせず。最小限の点滴(みたところ、生理食塩水のみだった。)だけ。

あとは父の身体がこの自然な状態で、どのくらい生命を維持できるのかということになる。

そして、当初は「入院となった場合、病院のルールで誰も付き添うことはできない」と言われていたが、朝日が昇ってきたころに、医師がやってきた。

コロナ禍での入院にもかかわらず、付き添いが許可される

母、姉そして私の3人は、一番恐れていたことに直面していた。

朝が来て、父が入院となってしまったら、一切面会はできず、もう亡くなるというその時に連絡が来て、でもその時がいつかは分からず、すぐに駆け付けられない可能性も大いにあることを。

ところが、朝が来て、医師がやってきてこう言った。

「そろそろ朝です。ここ(ICU)にはこれ以上居られないため、このまま入院とさせていただきたいと思います。その際一人だけ、お父様に付き添う許可が下りました。その方はお母さまでいいですか?」

おそらく、先は長くないということで、限定一人の付き添いが許可されたのだろう。

看取り入院ということだろう。もちろん付き添う人は母に決まっている。

その一人は、母と決めたら母のみ。姉や私にバトンタッチ(付き添いを交代すること)はできないとのこと。

母は病院外に出ることはできないこと。もし一歩でも外に出たら二度と病室には戻れないそうだ。

そして、姉と私にとっては、生きている父に会えるタイムリミットがすぐそこまで来ていた。

バタバタと入院に必要な書類の手続きがその場で進む。

私は父のあたたかい手を何度も握り、いつも父が手のひらで頭を軽くぽんぽんとたたく愛情表現を再現した。

にこにこしながら、ぽんぽんってしてくれたな。父の手を持ち上げ、自分の頭をぽんぽんすると、涙が出てきてしまう。

透析のために血管を太くしたため、血液が流れる勢いが普通の人より感じられる。

その音まで普通に聞こえるのだ。

ハグする。

耳元で、ありがとうと何度も言った。

病室へ移動するためのベッドが到着した。

看護師の方に頭を下げ、父を見送った。

母は病院に残り、私は自宅へ、姉は実家へいったん帰ることにした。

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Posted by ひみ